血は飲みたくない。彼の気持ちを汲んで私は苦しむ山崎さんを必死に抱き留め、発作が治まるのを待ち続けた。
いつまでも止まらない発作。その時間は短い間だったのしれないが、私にはとても長く感じられた。ただ苦しみと闘う彼を、そのまま見ていることは出来なかった。
千鶴「山崎さん、お願いです、血を飲んで下さい。このままでは」
山崎「やめて、くれ……大丈夫だ、もう治まった」
千鶴「本当に大丈夫なのですか?」
山崎「……そうだな、少し君の背中を借りてもいいだろうか」
千鶴「背中、ですか?」
山崎さんは私に背中を預けて座った。確かに、呼吸の乱れは治まっているのを感じ取る事が出来た。
背中から伝わる彼の体温が何故か心地よく感じて。
そして……
山崎「村君!雪村君!」
千鶴「あれ?」
そこには羅刹の姿はなく、いつもの黒髪の山崎さんが私の名を呼んでいた。
千鶴「私、どうして……?」
山崎「やはり君は疲れているんじゃないか。急に眠ってしまうとは」
千鶴「眠っ……え!?私、眠っちゃったんですか!?」
山崎「ああ、そうだ」
徐々に思い出す恥ずかしい記憶。私の顔は真っ赤になった。
千鶴「あああの!大変失礼しました!」
山崎「いや、俺こそすまなかった」
千鶴「え?」
山崎「何でもない。そろそろ陣に戻ろう。君は疲れているのだからすぐ寝る事。いいな!」
千鶴「は、はい!」
どうでもいいですが、千鶴さん……山崎さんの用事が御手水だったらどうする気だったんだろう(爆)
伝わりにくいと思いますが、斎藤さんと仲良さげに話してる姿を見てるのが辛くて陣を離れたってことです。どこの小学生!天然通り越してもはや危ない人レベルです。聖域。
斎藤さんを使って山崎さんを嫉妬させようと考え書いたエピソードなんですが、やはり斎藤さんのキャラでは限界があった。こんな時に沖田さんや原田さんがいればなぁ・・・一気に着火させられるのに・・・。いやでも斎藤さん頑張ったよ。うん、斎藤さん頑張った。柄じゃない役、お疲れ様です!(笑)
そして斎藤さんにはもう一仕事頑張ってもらいますよ!(何)